口呼吸していませんか?口臭の原因にも!鼻呼吸のすすめ

東京北区西ヶ原にある歯医者「おおさわ歯科クリニック」です。

お口で呼吸する癖がついていませんか?

コロナ感染症によってマスク生活が長く続き、マスクの下で口呼吸が習慣になった方が多くいらっしゃいます。マスクをしていると自分の呼吸の様子が見えにくく、気づかないうちに口で呼吸する癖がついてしまうのです。

呼吸には口呼吸と鼻呼吸があり、口呼吸にはデメリットがいっぱいです。今回は、口呼吸がもたらす様々な問題と、鼻呼吸のメリットについて詳しくお話しします。

口呼吸している

口呼吸がもたらす口腔内のトラブル
唾液の循環不全と抗菌作用の低下
口呼吸によって口腔内が乾燥すると、唾液が循環しなくなり抗菌作用が発揮されなくなります。これが口臭、歯周病、虫歯の原因になるのです。

唾液は単なる水分ではありません。口腔内の健康を守る重要な役割を担っています。唾液に含まれる抗菌物質は、細菌の増殖を抑え、お口の中を清潔に保ってくれます。しかし、口呼吸で口の中が乾燥してしまうと、この大切な唾液の働きが十分に発揮されなくなってしまうのです。

特にお子様への影響が深刻です
また、発育中のお子様の場合は特に注意が必要です。しっかり鼻呼吸の習慣をつけさせてください。口呼吸でお口周囲の筋肉が正常に発達できなくなり、歯列不正の原因になります。

成長期のお子様の顔や口の周りの筋肉は、まだ発達途中です。この大切な時期に口呼吸が習慣化してしまうと、本来あるべき筋肉の発達が妨げられ、将来的に歯並びに大きな影響を及ぼす可能性があります。

見た目への影響も
また、顔貌の見た目がだらしなく見えてしまいますし、口唇の荒れが起きやすくなります。常に口が開いている状態は、表情筋の緊張感を失わせ、顔全体の印象にも影響を与えてしまいます。さらに、常に外気にさらされる唇は乾燥しやすく、ひび割れや炎症を起こしやすくなるのです。

口呼吸してると口腔内が乾燥します
口呼吸を続けていると、お口の中は常に空気にさらされた状態になります。これにより水分が奪われ、慢性的な乾燥状態に陥ってしまいます。朝起きたときに口の中がカラカラになっている、ネバネバ感がある、といった症状がある方は、睡眠中に口呼吸をしている可能性が高いです。

インフルエンザ

鼻呼吸がもたらす素晴らしい効果
口腔内環境の改善
鼻呼吸を習得することにより、口腔内は乾燥しなくなります。すると、抗菌作用がある唾液が歯と歯の間のプラークを洗い流しながら効率よく循環し、虫歯菌(ミュータンス菌)や歯周病菌の活動を抑制します。

唾液は常に分泌され続けていますが、鼻呼吸をすることで口を閉じていれば、この唾液が口腔内全体に行き渡り、自然な洗浄作用を発揮してくれるのです。

また、口腔内環境を虫歯になりやすい酸性状態から中性〜アルカリ性の良い環境に整えてくれます。食事をすると、口の中は一時的に酸性に傾きますが、唾液の緩衝作用によって中性に戻されます。この働きが正常に機能することで、虫歯のリスクを大幅に減らすことができるのです。

口腔内環境が良くなると口臭も軽減されます。口臭の多くは、口の中の細菌が産生する揮発性の硫黄化合物が原因です。唾液によって細菌の活動が抑制されれば、自然と口臭も改善されていきます。

お子様の歯並び予防のメカニズム
次に、どうして発育期のお子様が鼻呼吸をすると歯並びの不正の予防になるのでしょうか?

鼻呼吸をする=口を閉じる

ということで、口の周りの筋肉、口輪筋が鍛えられます。口輪筋とは、口の周りをぐるりと囲む筋肉のことで、口を閉じたり、唇をすぼめたりする動作に使われます。

歯列というのは、実は内側と外側からの力のバランスで位置が決まっています。内側からは舌の力で押し出そうとされます。一方、外側からは口唇の力で元の位置に戻そうとします。この2つの力が釣り合っている状態が、理想的な歯並びなのです。

口輪筋が鍛えられていないと、この口唇の力が弱くなってしまいます。すると、舌の押し出す力に対抗できず、歯が前方に出てしまったり、歯と歯の間に隙間ができてしまったりするのです。

さらに、鼻呼吸を習慣化することで、舌が正しい位置(上顎に軽く触れる位置)に保たれやすくなります。この「舌の正しいポジション」も、実は歯並びや顎の成長に大きく関わっています。

全身の健康への好影響
また、鼻呼吸は体内に取り込む空気を温め、適度な湿度を与えます。肺や気管にやさしい空気として入っていきます。冷たく乾燥した空気を直接肺に送り込むと、気管支や肺に負担がかかりますが、鼻を通すことで体温に近い温度まで温められ、適度に加湿された状態で体内に入るのです。

そして、鼻毛と粘液でウィルスなどの異物を取り除いてくれます。鼻の中には無数の細かい毛が生えており、また粘膜から分泌される粘液が、空気中のほこりや細菌、ウイルスをキャッチして体内への侵入を防いでくれます。

風邪やインフルエンザ予防にも効果的です。特に冬場の乾燥した季節や、感染症が流行する時期には、鼻呼吸がバリア機能として重要な役割を果たします。

口呼吸によって風邪にかかりやすくなる!
口呼吸をしていると、外気が直接喉を通過するため、喉の粘膜が乾燥しやすくなります。喉の粘膜が乾燥すると、本来備わっている防御機能が低下し、ウイルスや細菌が侵入しやすい状態になってしまうのです。

実際に、口呼吸をしている人は鼻呼吸をしている人に比べて、風邪やインフルエンザにかかりやすいという研究結果も報告されています。

鼻呼吸への改善方法
鼻呼吸はメリットばかりです。では、どのようにして鼻呼吸を習慣化すれば良いのでしょうか?

日常でできる簡単なトレーニング
意識的に口を閉じる:まずは日中、気づいたときに口を閉じることを意識しましょう
鼻で深呼吸:1日数回、鼻からゆっくり息を吸って、鼻から吐く深呼吸を行いましょう

睡眠中の対策
睡眠中は無意識に口呼吸になってしまう方も多いです。歯科医院で相談できる専用のマウスピースもありますので、気になる方はご相談ください。

鼻づまりがある場合
もし慢性的な鼻づまりがあって鼻呼吸が難しい場合は、耳鼻科での治療も検討しましょう。アレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲症など、鼻呼吸を妨げる原因がある場合は、適切な治療を受けることが大切です。

まとめ
皆様も心掛けてみてはいかがでしょうか。

鼻呼吸は、お口の健康だけでなく、全身の健康にも大きく関わる大切な習慣です。今日から少しずつでも、ご自身やご家族の呼吸方法を見直してみてください。

特にお子様の場合は、早い時期から正しい呼吸習慣を身につけることで、将来の歯並びや顔貌の発達に良い影響を与えることができます。

気になることがありましたら、いつでもお気軽にご相談くださいね。皆様の快適な生活のお手伝いできれば幸いです。