20代女性 被せ物が外れた右下奥歯の虫歯を除去してファイバーコアとe-maxクラウンで治療した症例

年齢と性別 20代女性
相談内容 「被せ物が外れてしまったので治してほしい」とご相談いただきました。
診断結果 拝見したところ、右下奥歯の被せ物が外れていました。
被せ物が装着されていた歯には、保険診療の白いプラスチック材料で作製されたレジンコアという土台が入っていましたが、レントゲン撮影をして詳しく検査をした結果、土台の周囲に虫歯が生じていることが判明しています。

噛み合わせ自体には問題がなかったため、土台と虫歯を除去したのち、新しい土台と被せ物を作製する必要があると診断しました。

治療方法 検査結果をもとに、3種類の治療方法を提案しました。

①白いプラスチックの被せ物「CAD/CAM冠」
メリット:保険適用のため、費用を抑えながら白い被せ物を入れることができる
デメリット:プラスチック製なので、硬いものを噛むと割れてしまうリスクがある

②金属フレームの外側にセラミックを焼き付けた被せ物「メタルボンド」
メリット:被せ物の内側に金属を使用しているため強度が高く、奥歯など強い力がかかる部位にも適している
デメリット:白い陶材のセラミックのみで作られた被せ物と比べると、審美性がやや劣る。また金属を使用しているため、金属アレルギーのリスクがある

③ガラス系セラミックe-maxを用いた被せ物「e-maxクラウン」
メリット:e-maxはセラミックの中でも劣化しにくく、抗菌性に優れており歯周病予防の効果が期待できる。透明感があり、自然な白さを再現できる
デメリット:自費診療のため比較的費用がかかる

患者様は、審美性の高さと歯周病予防の観点から、③のe-maxクラウンを選択されました。

まずはもともと入っていたレジンコアを除去し、虫歯部位を染め出すう蝕検知液を用いながら虫歯を丁寧に取り除きます。
次に、歯に似たしなやかさをもつ土台であるファイバーポストを装着して形を整え、歯型をとりました。

後日、完成したeーmaxクラウンが歯にぴったりと合っているか、しっかりと噛むことができるかを確認したあと、接着強度を高めるために以下の前処理を行いました。

被せ物を装着する歯の表面:セラミックや歯の表面についた汚れ(唾液や血液など)や、一時的な詰め物「仮封材」の残りなどを、専用の洗浄液「カタナクリーナー」を用いて除去

被せ物の内面:セラミックと接着材がしっかりとくっつくようにするために、処理剤「セラミックプライマー」を塗布

前処理後は、劣化しにくく接着力に優れた「レジンセメント」を用いてeーmaxクラウンを装着しました。
患者様は歯ぎしりをする癖があるため、横方向に顎を動かしたときに無理な力がかからないように、また噛み合わせが自然になるように入念に調整し、治療を終了しています。

治療期間 約1ヶ月
治療費 約70,000円
治療のリスク ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・装着に際し、天然歯を削る場合があります
・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です

治療前

治療後