歯列接触癖(TCH)について
歩いているとき、本を読んでいるとき、パソコンでお仕事をしているとき、上下の歯が触れていませんか?
食べているとき、しゃべっているとき以外は、通常上下の歯は1~2mm程度離れているのが正常です。
この上下の歯をくっつけてしまう癖を「歯列接触癖(TCH)」と言います。TCHとは、Tooth Contacting Habitの略で、上下の歯を無意識下で持続的に接触させるクセのことです。上下の歯を接触させることで問題が起こると聞くと、歯ぎしりや噛み締めを思い浮かべる方が多いと思います。それらは一時的に強く噛んでいる状態のことですが、TCHはわずかな力でも「持続的に」上下の歯が接触しているという違いがあります。通常、食事や会話を含め1日に上下の歯が接触する時間は10分程度と言われていますが、この時間が極端に長い歯の接触クセを持っていることをTCHと呼びます。
TCHの原因は、ストレス、不安、緊張などが挙げられます。また、顎関節症や歯周病などの病気が原因でTCHになることもあります。
TCHがあると、次のような症状が現れることがあります。
- 歯のすり減り
- 歯の痛み
- 歯茎の腫れや炎症
- 顎関節の痛み・疲れ
- 頭痛
- 肩こり
- 耳鳴り
TCHの治療法としては、スプリント装着療法、咬合調整、薬物療法などがあります。
スプリント装着療法とは、上の歯にマウスピースを装着して、歯が接触するのを防ぐ治療法です。
咬合調整は、歯の噛み合わせを調整して、歯が接触しないようにする治療法です。
薬物療法は、痛みや炎症を抑えるための薬を使用する治療法です。
また、お口の中での舌の位置を改善するとTCHも改善します。
TCHは、自覚症状がないうちに進行してしまうことが多く、早期発見・早期治療が大切です。TCHに気付いたら、早めにご相談下さい。